産婦人科医がビーチクリーンを始めたわけ

産婦人科医の私が、
なぜビーチクリーンを始めることにしたのか

「産婦人科医と海のごみ拾いって、
どうつながるの?」
そう思われるかもしれない


たしかに、一見すると
あまり関係がないように見えるかもしれない

でも、私の中では、
ずっと同じところにつながっている

それは、
子どもを安心して産み、
安心して育てられる世界をつくりたい

という想い

目次

  1. これまでは、参加する側だった
  2. 一人で始めるには、少し勇気が必要だった
  3. 仲間ができたから、始めてみようと思えた
  4. お産は、ゴールではない
  5. 海をきれいにすることは、未来をつくること
  6. 参加することから、場をつくることへ
  7. いのちが育つ環境をつくる

これまでは、参加する側だった

実は私はこれまで、
毎月、ほかの地域で開催されている
ビーチクリーンに参加していた

海をきれいにする時間が好きだった

黙々とごみを拾う時間も、
そこで出会う人たちとの会話も、
終わったあとに少しきれいになった
ビーチを見る時間も、
心地よく感じていた

「こういう活動っていいな」
「続いていったらいいな」

そう思いながら、毎月参加していた

でも、自分が住んでいる地域で、
自分が主催しようとは、なぜか考えていなかった

今振り返ると、
自分でもやればよかったんよね。

自分が暮らす地域の海を、
自分たちできれいにする

そんなに特別なことではないはずなのに、
私の中で、自分たちが主催するという発想は
今まで出てこなかった

一人で始めるには、少し勇気が必要だった

ビーチクリーンに参加することと、
自分で主催することは、やっぱり少し違う

場所はどこにするのか
ごみはどうやって処分するのか
人は集まるのか
安全面は大丈夫なのか
継続できるのか

考え始めると、いろいろなことが気になる

誰かがつくってくれた場に参加するのはできても、
自分で場をつくるとなると、急に責任を感じる。

だから私は、長い間、「参加する人」のままだった

環境を大切にしたい気持ちはあった
地域で何かしたい気持ちもあった

でも、一人で始めるには、勇気が足りなかった

仲間ができたから、
始めてみようと思えた

今回、
自分が住む地域でビーチクリーンを
始めようと思えた一番の理由は、
仲間がいること

「一緒にやろう」
そう言える人がいる

それだけで、できないと思っていたことが、
すぐ現実になった

一人では難しい
でも、仲間とならできるかもしれない

完璧に準備が整ってからではなくても、
まず一歩を踏み出してみよう!

やると決めたら、早かった

仕事の隙間時間に
市の環境局循環社会推進部業務課に電話して
どんな手配が必要か相談させて頂き
ビーチがある海の家の方にご挨拶に行ったり、、、

仲間とできると思うと
わたしの足取りも軽く、

やると決めた2週間後には

ビーチクリーンの主催を初開催できた

月1回の活動だけど、

初回は仲間内だけだったけど

細く長く続けていきたいと思う

お産は、ゴールではない

私は産婦人科医として、
これまでたくさんの赤ちゃんが生まれる瞬間に
立ち会わせていただいてきた

赤ちゃんが無事に生まれること
お母さんが無事にお産を終えること
それはもちろん、とても大切なこと

でも、お産はゴールではない

赤ちゃんが生まれたその日から、
その子と家族の新しい人生が始まる

だから私は、出産そのものだけではなく、
その先にある暮らしや地域や社会にも関心を
持つようになった

その子が、安心して遊べる場所があること
困ったときに頼れる人がいること
家族だけで抱え込まなくてもいい地域であること
人と人がつながり、支え合えること

そして、子どもたちが生きていく
自然環境が守られていること

それらはすべて、いのちが育っていくために
必要なものだと思っている

海をきれいにすることは、
未来をつくること

ビーチクリーンは、
ただ海のごみを拾う活動ではない
もちろん、ごみを拾えば、
その場所はきれいになる

でも、それ以上に大切なのは、
そこに人が集まり、
一緒に動くことだと思う

大人が海をきれいにする姿を、
子どもたちが見る
子どもと一緒にごみを拾う
地域の人同士が顔を合わせる

「自分たちの暮らす場所を、
自分たちで大切にしていいんだ」
そんな感覚が、少しずつ育っていく

それは、未来をつくることにつながる

社会を変えるというと、
何か大きなことをしなければいけないように
感じる

でも、実際には、
目の前のごみを一つ拾うことも、
立派な社会づくり

自分の住む場所を少し整える
隣にいる人と声をかけ合う
子どもたちに、大人が行動する姿を見せる

小さな行動の積み重ねが、
地域の空気を変えていくのだと思う

参加することから、
場をつくることへ

これまでわたしは、
誰かがつくってくれた場に参加してきた
それはとても大切な時間だった

参加することで学び、出会い、勇気をもらった

そして今度は、自分が暮らす地域で、
自分たちの場をつくってみようと思う

誰かが始めてくれるのを待つのではなく、
自分たちで始めてみる

とはいえ、わたし一人で始めるわけではない

仲間と一緒に始める

一人では踏み出せなかった一歩を、
仲間と踏み出す
それが今回のビーチクリーン

いのちが育つ環境をつくる

私はこれから、
「いのちが育つ環境をつくる」
ということを、
いろいろな形で実践していきたいと思っている

お産に関わること
子育てを支えること
人が安心して話せる場をつくること
地域で頼り合える関係を育てること
そして、子どもたちが生きていく自然を守ること

それらは別々の活動に見えるかもしれない

でも、私の中では、すべて同じ方向を向いている

安心して産み、安心して育ち、
安心して人とつながれる世界へ

ビーチクリーンは、そのための小さな一歩
大きなことはできなくてもいい
完璧でなくてもいい
一人でできなくてもいい
仲間と一緒に、できるところから始めていく

そんな活動を、
これから少しずつ育てていきたいと思っている

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