「人生会議」って知っていますか?
最近、少しずつ耳にするようになった言葉ですが、
「延命治療をするかどうか決めること?」
「最期をどこで迎えるか話し合うこと?」
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
もちろん、それも人生会議のひとつ。
でも、いきなり
「延命治療はどうする?」
「施設には入る?入らない?」
「最期はどこで迎えたい?」
と聞かれても、なかなか答えられませんよね。
その前に、もっと話しておきたいことがあります。
「わたしは、何を大切にして生きているんだろう?」
「これから、どんなふうに生きていきたいんだろう?」
宗像にある、なないろ・サロンで
毎月「自分を愛でる温もりの時間 」というお話会をしているのですが、
9回目となる今回は
そんなところから人生会議を始めてみました。
【人生会議とは?】
人生会議とは、
ACP(Advance Care Planning:アドバンス・ケア・プランニング)
の愛称です。
もしものときに備えて、
自分が大切にしていることや、
どのような医療・ケアを望んでいるのかについて、
自分自身で考え、家族や大切な人、
医療・ケアチームなどと繰り返し話し合い、共有していく取り組みです。
大切なのは、「一度決めたら終わり」ではないこと。
年齢や体調、家族の状況によって、気持ちは変わっていきます。
だからこそ、その時々で、
「今のわたしは、どうしたい?」
を考え、話していくことが大切です。
今回のお話会には、久しぶりの方も、初めましての方も、いつもの常連さんも。
50代から80代まで、毎度ながら幅広い年代の方が参加してくださいました。
そして実際に話し始めてみると、
出てきたのは「延命治療をする・しない」という話だけではありませんでした。
ご主人を見送った方。
ご両親の介護を終えた方。
今まさに介護をしている方。
義両親や実親の介護に、孫のお世話まで重なっている方。
それぞれの立場から、それぞれが今感じていることをシェアしてくださいました。
ある方は、
老老介護をしているご両親を見かねて、
親御さんに施設へ入ってもらったものの、
「これでよかったのかな」
という思いを抱えていました。
そんな中、実際に介護を経験し、親御さんを見送った方の体験を聞いて、
「やっぱり、これでよかったと思えた」
と話してくださいました。
正解を誰かに教えてもらったわけではありません。
でも、誰かの経験を聞くことで、
自分の選択をもう一度見つめ直すことができる。
こういう時間も、とても大切なのだと思います。
親子で参加してくださった方もいました。
その中で、お母さんが娘さんに伝えたのは、
「もっと感謝の気持ちを、言葉にしてほしい」
ということ。
わたしは、これも人生会議だと思っています。
「延命治療をどうするか」
だけが人生会議ではありません。
何をされたら嬉しいのか。
どんな時間を大切にしたいのか。
家族とどんな関係でいたいのか。
これから、どんなふうに生きていきたいのか。
そんなことを元気なうちから話しておく。
その積み重ねが、いつか大きな選択をするときに、
その人らしさを考える手がかりになるのではないでしょうか。
そして今回、もうひとつ印象的だったのが、
「自分が介護をしているときに大変だったから、
子どもたちには迷惑をかけたくない」
という言葉でした。
「迷惑をかけたくない」
きっと、多くの親が一度は考えることだと思います。
でも、自分にとっての「迷惑」と、
子どもにとっての「迷惑」は、本当に同じなのでしょうか。
何をしてほしくて、
何はしてほしくないのか。
どこまでなら頼りたいのか。
そして、家族はそれをどう感じているのか。
それも、元気なうちだからこそ話せることなのかもしれません。
皆さんそれぞれ違う人生を歩んできて、
置かれている状況も違います。
それでも最後には、
「健康でいたい」
「楽しく生きたい」
「笑って過ごしたい」
そんな言葉がたくさん聞かれました。
人生会議というと、
「死ぬときの話」のように聞こえるかもしれません。
でも本当は、
「わたしは、どう生きたい?」
を考えることから始まるのだと思います。
そして、これはお産にも少し似ています。
産婦人科医としてお産に関わっていても、
「先生にお任せします」
という言葉を聞くことがあります。
もちろん、医療者に任せるところがあっていい。
でも、
「わたしは何を大切にしたい?」
「どう過ごしたい?」
「何が怖い?」
「これは嫌だと思っている」
そんなことを知って、
周りに伝えておくことは、
お産でも、その先の人生でも、とても大切なことだと思っています。
「自分は、どうしたい?」
それを考えられること。
そして、それを誰かに話せること。
今回のお話会で、
「こんな場があるからいいよね」
と言っていただきました。
本当にそうだと思います。
何かを決めるためだけではなく、
自分のことを話して、
誰かの人生を聞いて、
また自分のことを考える。
そんな場所が地域の中にあることも、
ひとつの「人生会議」なのかもしれません。
今年度のわたしのお話会は、今回で終了です。
次回からは、
10月の生花教室、
11月の蕎麦打ち、
12月のしめ縄作りと、楽しいイベントが続きます。
50代から80代までの皆さんと過ごして、今回も改めて思いました。
女性は、いくつになっても元気です♪
わたしもまた、
人生の先輩たちの元気なエネルギーを浴びに、
今度は参加者として遊びに行きたいと思います。

















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