言葉は、子どもたちの世界をつくる〜小学校の図書室で感じたこと〜

先日、子どもの小学校にブックヘルパーのボランティアに行ってきました。

図書室で作業をしていると、司書の先生とお話しする機会がありました。

「この学校の子どもたちは、みんな礼儀正しくて、
元気で、本当に素晴らしいですね」

そんな言葉をいただいて、一保護者として、
とても嬉しい気持ちになりました。

自分の子どもだけでなく、
学校の子どもたちが褒められるって、こんなにも嬉しいものなんですね。

ところが、そのあと、少し考えさせられる出来事がありました。

図書室に、あるクラスの子どもたちと担任の先生がやってきたのです。

その先生の子どもたちへの接し方に、わたしは強い違和感を覚えました。

子どもたちに向けられる言葉が、とても攻撃的に感じられたのです。
イライラした様子も伝わってきました。

もちろん、先生だって人間です。

思うようにいかないこともあれば、
感情的になってしまう日もあるでしょう。

そして、わたしが見ていたのは、ほんの短い時間です。
その前に何があったのかも、普段はどんな先生なのかもわかりません。

それでも、思わず考えてしまいました。

この子たちは、普段どんな言葉に囲まれて学校生活を送っているのだろう。

言葉は、わたしたちが見ている世界を変える

わたしは普段から、言葉には大きな力があると考えています。

同じ出来事でも、どんな言葉で捉えるかによって、
感じ方や、その先の行動は変わります。

例えば、子どもが何かに失敗したとき。

「どうしてできないの?」

と言われるのと、

「どうしたらできるかな?」

と問いかけられるのでは、受け取るメッセージが大きく違います。

前者では、失敗したことを責められたように感じるかもしれません。

一方、後者では、
失敗しても次の方法を考えればいいと思えるかもしれません。

子どもたちは、毎日たくさんの言葉を受け取りながら、
自分自身や周囲の人との関わり方を学んでいきます。

だからこそ、大人がどんな言葉を選ぶのかは、
とても大切なことだと思うのです。

もちろん、優しい言葉だけをかければいいわけではありません。

時には、厳しく伝える必要もあります。

でも、厳しく伝えることと、感情をぶつけることは違います。

子どもを一人の人間として尊重しながら、必要なことを伝える。

そんな関わり方を大切にしたいと思っています。

安心できる環境が、自分の力を発揮する土台になる

今回、もう一つ印象に残ったことがあります。

それは、先生の強い口調にもかかわらず、
子どもたちが明るく過ごしているように見えたことです。

子どもたちが実際にどう感じているのかは、短い時間ではわかりません。

でも、明るく振る舞っているからといって、
必ずしも安心して過ごせているとは限りません。

もし、先生に怒られないことを優先して行動したり、
自分の意見を言うことをためらったりしているとしたら。

それは、子どもたちが持っている力を十分に
発揮できる環境と言えるでしょうか。

わたしは、
安心は、その人が本来持っている力を発揮するための土台になると
考えています。

これは、お産に関わる中でも大切にしていることです。

出産を迎えるお母さんが、自分の気持ちや希望を安心して伝えられること。

わからないことを質問できること。

周囲の人たちと一緒に考え、納得して選択できること。

そんな環境があることで、
お母さん自身が持っている力を発揮しやすくなります。

子どもたちも同じではないでしょうか。

安心して質問できる。

間違えても、もう一度挑戦できる。

自分の考えを伝えても大丈夫だと思える。

そんな環境の中でこそ、子どもたちは自分で考え、
行動する力を育んでいけるのだと思います。

「ママが学校の先生したらいいのに」

帰宅してから、娘にその日の出来事を話しました。

すると娘は、

「そうやろ〜! あの先生たち、いつも怒ってるんよ」

と話してくれました。

そういえば、以前にも娘から、
いつも怒っている先生がいるという話を聞いていました。

そのときのわたしは、「まあ、そんな先生もいるよね」と、
あまり深く受け止めていませんでした。

でも、今回実際にその様子を目にして、
娘が何を伝えようとしていたのか、ようやく理解できた気がしました。

娘の話を、もっと丁寧に聴けばよかった。

そんな反省もありました。

そして、娘がこんなことを言ったのです。

「ママが学校の先生したらいいのにね」

思いがけない言葉に、少し驚きました。

どうやら娘は、
医師免許があれば学校の先生にもなれると思っていたようです(笑)

でも、その一言が、なんだかとても嬉しかったのです。

わたしが普段、子どもたちに伝えていること。

言葉の使い方や、人との関わり方。

そんな日々の積み重ねが、娘にも伝わっているのかもしれません。

そして、それをほかの子どもたちにも
届けてほしいと思ってくれたのかもしれません。

子どもの言葉に耳を傾けることから

今回の出来事は、先生の言葉遣いについて考えるだけでなく、
自分自身の関わり方を振り返る機会にもなりました。

わたしは、子どもたちの言葉をどれだけ丁寧に聴けているでしょうか。

大人の価値観で判断して、子どもが伝えようとしていることを
見過ごしていないでしょうか。

子どもにどんな言葉をかけるのか。

それと同じくらい、子どもの言葉をどう受け取るのかも大切だと思います。

自分の気持ちを伝えたら、誰かが耳を傾けてくれる。

自分の考えを尊重してもらえる。

困ったときには、一緒に考えてくれる人がいる。

そんな経験の積み重ねが、
子どもたちの「自分は大丈夫」という感覚を
育んでいくのではないでしょうか。

わたしが願っているのは、
子どもたちが周りの顔色をうかがうのではなく、
自分の気持ちを大切にしながら、周囲の人とも尊重し合える世界です。

失敗しても、間違えても、自分にはできることがあると思える世界。

そして、困ったときには誰かを頼ってもいいと思える世界。

それは、わたしが妊娠・出産に関わる中で大切にしていることとも、
深くつながっています。

お産も、子育ても、教育も。

人が自分の力を発揮するためには、安心できる関わりが欠かせません。

言葉は、世界をつくる。

たくさんの言葉が詰まった本に囲まれた図書室で、
改めてそのことを考えた一日でした。

わたし自身も、子どもたちにどんな言葉を届け、
どんな世界を一緒につくっていきたいのか。

これからも、日々の小さな関わりを大切にしていきたいと思います。

Instagramやブログには書ききれない想いや、
暮らしのヒント、講座のお知らせをお届けしています。

トップへ戻る